今回は、知っておくと損はないかもな知識シリーズです。
皆様は、アニサキスをご存知でしょうか?
アニサキスとは、寄生虫の一種で、サバやサケ、イカなど様々な種類の魚介類に寄生しています。
出典:厚生労働省HP
多くの場合、冷凍(-20℃で24時間以上)や加熱(60℃で1分以上)をすることで死滅させられるので調理後の魚を食べても問題はないです。
しかしながら、このアニサキスの厄介なのは、魚の刺身などの生食をするなどして、アニサキスを生きたまま食べてしまった場合です。
アニサキスは、胃に入っても胃液に対して抵抗性があるためすぐには死にません。
そして、胃壁や腸壁に食らいつきどんどん穴をあけて刺入していきます。
これにより尋常でない激痛が走ります。
このアニサキスによる食中毒はアニサキス症と呼ばれ、もし発症した場合は医療機関にて内視鏡で除去するというのが、1番の対処法であります。
しかしながら、すぐに病院で対処してもらえればいいのですが、状況によってはすぐには対応してもらえないこともあるかもしれません。
そんな時に、今回の知識が使えるかもしれません。
それが、ラッパのマークで有名な「正露丸」の服用です。
正露丸を服用することで、アニサキス症の症状を改善する効果があるかもしれないということは結構前から知られていたようです。
2014年には、正露丸の製造元である大幸薬品(株)が、正露丸の有効成分である木クレオソートについて、アニサキス症の予防・症状改善のための薬剤としての活用に関する特許(特許第5614801号)を取得したということで知られています。
https://www.seirogan.co.jp/dl_news/file0095.pdf
そして、時は過ぎて最近になり、こんな話題がありました。
高知大学の松岡教授らのグループが、正露丸のアニサキス症への効果の研究をさらに進めたらしいのです。
この研究によると、正露丸3粒(一回服用量)を30mlのpH=2の液につけて30分後には、ほとんど全てのアニサキスが運動を停止し、24時間にトリパンブルー染色をするとほとんどの個体が部分的にあるいは全体的に染色された(つまり、アニサキスが死んだ)そうです。
大幸薬品のHPによると、正露丸の薬機法上の効能は、「軟便、下痢、食あたり、水あたり、はき下し、くだり腹、消化不良による下痢、むし歯痛」です。
アニサキス症の疑いがある場合は、医療機関での受診が勧められています。
しかしながら、深夜などで病院にすぐに対応してもらうことができない場合などは、正露丸を服用することでアニサキス症の重症化を防ぐことができるかもくらいには知っておくといいのかなと思いました。