参拝を終えてバス停へ
前回の記事の続きです。
大斎原と熊野本宮大社、両方の参拝を無事に終えたのは9時頃のことです。
帰りの10時発のバスまで、まだ1時間ほど余裕があります。境内の雰囲気に名残惜しさを感じながらも、ゆっくりと周辺を散策しました。
お土産物を眺めたり、ベンチに腰掛けて境内を見渡したり。
早朝から動いていた疲れが少し出てきたところで、そろそろ時間だなとバス停へと向かいました。
嫌な予感、、、バス停の長蛇の列
バス停が見えてきた途端、足が止まりました。
列が、長い。異様に、長い。
10時発のバスを待つ人たちがすでにずらりと並んでいて、その数はざっと見ても数十人はいるでしょうか。
「これ、全員乗れるのか…?」という不安が頭をよぎったが、「まあ大丈夫だろう」と自分に言い聞かせながら列の最後尾につきました。
バスが来た そして悲劇は起こった
10時ちょうど、バスがバス停に滑り込んできました。
乗客がドアへと吸い込まれるように乗り込んでいきます。
最初は順調に列が進んでいたが、序盤から車内がみるみる埋まっていくのがわかりました。
「早く、早く進んでくれ」——心の中でそう念じながら、少しずつ前へ行きます。
でもバスはもうパンパンでした。
そのパンパンになったバスにさらに乗客が詰め込まれるのを見るたびに、自分の希望が少しずつ削られていく感覚を味わいます。
そして、自分のひとつ前の人がステップに足をかけようとした、その瞬間でした。
「満員となりましたので、このまま出発いたします」
無情にも、その人の前でバスのドアは閉まり、安全を確認した上でゆっくりと走り出しました。
まだバス停に何人も残されているというのに。。。
絶望 次のバスの時間は2時間後だって?
行ってしまったものは仕方ない。私は気を取り直して、次のバスの時刻を調べようとバス停の時刻表を確認しに行きました。
そして、思わず自分の目を疑いました。
次のバスの発車時刻が、なんと12時15分。ここから2時間後です。
目を凝らして時刻表を眺めますが、10時00分の後は、11時台の欄を飛ばして12時台に15の数字があるのみです。
この山の中のバス停で、あと2時間。一体何をして過ごせばいいんだ。心の中で何かが崩れ落ちたのを感じました。
仕方なく2周目の参拝を開始
しばらくバス停の前でぼんやり立ち尽くしていました。
ひょっとしたらこういう時のために、臨時バスが来るのかもしれないと淡い期待を抱いていたのですが、他のバスの気配すらありません。
スマホで代替の交通手段を検索するも、良さそうな案は出ませんでした。
そうなると答えはひとつしかありません。また、歩くしかない。
ということで、2周目の参拝をすることにしました。
まずは、大斎原からです。バス停から歩いていく道中は、内心イライラした気持ちでいっぱいでした。
どうして、こんなに旅行客が多いんだ。これまでバスに乗れないほど人が多いことなんてなかったじゃないか。
バスの本数も少なすぎやしないか。次のバスまで2時間も間隔があるなんて。
考えていると、怒りの感情が積み重なっていきました。
大斎原についてからは、しばらくこのエリアをぶらぶらしていました。
なにせ、時間にだけは余裕があるのですから。
涼しい風が頬をなでていくのを感じました。
ほんの少しだけ気分が和らいだ気がするものの、頭の中では依然として「なんで2時間もここで・・・」という考えがぐるぐるとしています。
最初に来た時よりも時間をかけて、堪能した後、熊野本宮大社へと向かいました。
2度目の熊野本宮大社に着いてからも、実はまだイライラが残った状態でした。
普段こんなにイライラすることも少ないのですが、昨日の那智山でバスの時刻表を読み間違えたために余分に待つことになったこともあって(これは自分が悪い)、色々と予想外の事が重なったため余計にストレスに感じたのだと思います。
本殿エリアに来て、手を合わせてお参りをしていると、不思議と怒りの熱が引いていきました。完全にスッキリしたわけではないですが、まあいいかと思えるくらいにはなりました。
ここでも十分に時間を使って、ゆっくりと過ごしました。
今度こそリベンジ成功
そうこうしていると、11時近くになってきました。次のバスまで時間もある事なので、早めに昼食にしようと、近くのお店に入って昼食を済ませました。
食事をとると、もやもやしていた気分がようやく晴れてきました。
どうやら、疲労と空腹が今回長引いたイライラの一因だったようです。
そして、そこからはバス停横の世界遺産センター内で休憩をして、余裕を見て11時半頃にはバス停の椅子に座って待つことにしました。
流石にまだ待っている人は少なかったです。でも、段々と人が増えてきそうだったので、12時近くになったら立ち上がってバスの来る場所に先頭で待つことにしました。
待ち侘びた次のバスは時刻通りにやってきました。
先頭で乗ることができて、座席を確保できました。
結果として、この便のバスに乗車する人は、全員座ることができました。ですので、先ほどの10時発のバスは異様に混んでいたことということになります。
冷静になって考えてみると、10時発のバスに乗った人は山歩きの格好をした外国の人が多かったです。
おそらく、朝イチで発心門王子などから熊野古道を歩いて熊野本宮大社まできて、それから帰るという人が多かったのでしょう。
なので、日や時間帯によってバスの乗客の人数にはムラがあるのだと考えられます。
ということで、今回の私のように直前になって乗れないという事がないように、バスで移動を考えていらっしゃる方は、本宮大社からの帰りのバスでは、早めにバス停に行くことをお勧めします。
まあ、結果として長い間、熊野本宮大社の境内にいることになったので、それはそれでいいか。
帰りの電車でもピンチ
実は、今回の旅ではピンチはこれだけではありませんでした。
熊野地方からの帰りの電車でも、あぶなかったです。
熊野本宮大社の参拝後、その日は紀伊勝浦駅周辺のホテルに泊まりました。
宿泊前に紀伊勝浦駅で、明日の帰りの分の電車の切符を買っておこうと思って、券売機で操作を進めていたのですが、その時点で名古屋へ帰る特急南紀の指定席が満席でした。
仕方がなく、自由席の切符を確保しましたが、心配だったのは、特急南紀には自由席が1車両しかないということです。
座席に限りがあるため、場合によっては座席が確保できないことも想定されます。
念の為、駅員さんにも確認しましたが、確実に座るためには早めに来た方がいいとのこと。
今回の旅では、移動の際にことごとくうまくいかないという事実があったので、その言葉通りに早めに来て並ぶことにしました。
そして、帰宅する当日。実際に、電車の発車時刻の20分前には並ぶためにホームにいきました。
その時点で、すでに2人の方がいらっしゃりその後に並びました。
電車が入線して、扉が開いたらすぐに座席を確保しました。
気をつけなければならないのは、1号車でも全部自由席ではなくて、一部指定席があることです。
指定席には、シートの背中側に「指定席」の文字があるためわかるのですが、これもトラップの一つです。
しっかりと確認をして正真正銘の自由席に座りました。
この時は、紀伊勝浦駅から乗車した人は全員、自由席を確保することができていました。
そして、次の新宮駅に到着して乗り込んできた乗客で、自由席は埋まってしまいました。
なので、名古屋方面に自由席に座って向かう場合、新宮駅に泊まった場合でも、可能なら、一度紀伊勝浦駅まで移動してから特急に乗った方が座席は確保しやすいかなと思います。
ということで、これも数年前には経験しなかったですが、座席が確保できるかどうかわからないという危ない経験でした。

↑特急南紀に乗り込み、座席確保できたところ
まとめ 熊野古道のオーバーツーリズム
ここ最近は特に外国人からの人気が凄まじい熊野古道。
外国人観光客の多くは、バスや電車といった公共交通機関を利用するのだと思います。
ですが、この交通機関について数年前に訪れた時に比べて増便しているとか、新しく駅ができたとかそういった変化は感じませんでした。
そのため、数少ない座席を観光客同士で取り合いになってしまうという事態が発生しています。
インフラの整備にはどうしても時間がかかるため、この「交通機関のキャパシティ不足」という状況はしばらく変わらないでしょう。
だからこそ、これから路線バスや電車で熊野古道を訪れる方に強くお伝えしたいのは、「特急の指定席は数週間前に予約すること」、そして「バスは出発の20分前には並ぶこと」です。
せっかくの素晴らしいパワースポットの余韻を、移動のストレスや疲労で台無しにしてはもったいないですよね。
ぜひ私の失敗を反面教師にしていただき、移動手段の確保だけは万全にした上で、熊野の素晴らしいエネルギーを存分に味わってきてください!