先日読んだ本を紹介します。
著者は、トッド・ローズ氏。
「個人学」というものを推進し、自己認識の向上、才能の育成に取り組まれている方です。
本書の概要
本書では、タイトルにもあるように「好きなことで生きる」ことが成功につながるというようなことが述べられています。
ローズ氏は、これまでの時代を「標準化」の時代とよび、そこでは「出世の階段をのぼることによって、富・地位を獲得する」ことが成功の定義であったとします。
しかし、これからは、標準化の時代ではなく「個別化」の時代だということで、学び方・働き方・生き方も変化しつつあるとのこと。
この個別化の時代では、既存(標準化時代)の成功法則は期限切れであり通用しないとのことで、新しい成功法則を知ることが必要だと言います。
そこで、著者らは「ダークホース」に目を向けます。
本書で言う「ダークホース」というのは、今まで見向きもされなかったのに急に快進撃を始めた人々のこと。
彼らがどのように彼ら自身の才能に目覚め、その個性を発揮することで成功に至ったのか。
そこに着目してダークホース的に台頭してきた人々の例が数々紹介されています。
本書の要点
本書で書かれている成功法則の要点としては、以下のようなことにまとまります。
①自分の中の「小さなモチベーション」を見つける。
②一般的なリスクは無視。自分にあった道を選択する。
③自分の強みを自覚し、独自の戦略を生み出す。
④目的地のことは忘れ、充足感を今抱いているかを自問する。
この4つのプロセスを経ることで、個人軸での成功に至るとのことです。
個人的に印象に残ったところ
私が、特に読んでいてなるほどなと思ったのは、①と④の項目です。
まず、大きな情熱ではなく「小さなモチベーション」が重視されるという点です。
自分自身がどこにモチベーションを感じるかということをしっかりと自覚し、それを他のところに活かせないかと考えるというのが、結局は情熱を持続させることにつながるのだというようなことが書かれています。
④の項目についても、今自分に「目的地(本書の説明だと何年もかかって達成するようなこと)」があったとしても、そこにたどり着く頃には世界が変化しているかもしれない。
なので、大事なのは自分自身がどういう人間かを知ることであって、そうでないと成功(=個人の充足感)へとたどり着くことはできないとのこと。
感想
個々人が、苦労した状況から成功していくプロセスの例が紹介されていて、参考になるところもあるかなという印象でした。
あまり大きな目的といったものを作らずに、何をするのに充足感を感じるかという、小さなモチベーションに目を向けるというのは、忘れがちなことなので日々注意して見ていこうと思いました。
個人的にちょっと本が分厚いな(300ページくらい)という感じがしたので、時間がかけられない場合は、5章くらいまでをさらっと読むのがいい気がします。