さて、今回は先日行ってきた大峯山での修行体験について、その後編ということで書いていきます。
修験道の山ということで、色々と不思議現象がありました。
まだの方は、ぜひ前編の方もご覧ください。
護摩行中に急に眠くなった
2日目の朝に、護摩行というものを体験しました。
これは、不動明王像の前で火をゴウゴウと焚いて、そこで加持祈祷を行うというものです。
一般には、お寺のお堂内で行うものが主流かと思いますが、今回は屋外での護摩行でした。
そのため我々は立ったまま参加することになります。
まず、不思議だったのは護摩行を行う前は雲が空を覆っていたのですが、護摩行が始まるという段階になって急に晴れてきて太陽が照ってきたことです。
タイミングがタイミングなだけに驚きました。
隣にいた去年も参加した人は、「毎年、護摩行の火の粉が飛んでくるのと、この太陽の光が背中に当たって暑いのとで大変だ」なんておっしゃっていたので、太陽が出ているのは毎年のことみたいです。
今回同行した人の中に晴れ男がいるのか?と思ったが、よく考えたら前日の登山は大雨でした。
晴れ男はお寺の人なのかもしれません。
そんなことを考えながら護摩行が始まりました。
お寺の住職さんがお経を唱えます。
そして、護摩行の火を担当する山伏の格好をした先達が、不動明王像の前の火を松明につけます。それを使って護摩焚きをする場所に組んだ木に点火します。
そこから轟々と火が燃えていくのですが、お経が唱えられる中、護摩行が進むにつれて私は急に眠たくなってきました。
立った状態ですので、時々体重をかける足を入れ替えたり、その場で足に力を入れようとするのですが、睡魔に抗えません。
昨日は熟睡したのになーとか思いつつ、とうとう一瞬気が遠くなりました。
いつもであれば、立ったまま眠ると一瞬膝カックンされたようになるのですが、その時は気が遠のいた瞬間に後ろから「バンっ」と背中を叩かれたかのような衝撃を感じました。
もちろん、後ろにいた人が叩いたのではないのですが、すごい力で背中から衝撃があったので思わずその場から一歩前に進み出てしまいました。
それからは、眠気に襲われることなくむしろさっきよりもすっきりとした気分で護摩行の続きに参加することができました。
なぜ、あんな衝撃があったのかはいまだにわかりませんが、体調はよくなったようなので良かったです。
写真に写る謎の女性
これは今回同行したパーティーのあるメンバーから見せてもらった写真の話です。
このかたは毎年のように参加されていてベテランの方です。
今回私が参加させていただいたグループは、登山修行の帰りには、毎年女人結界門の入り口で全員無事に帰ってこられたことを祝って、チームメンバーで写真を撮るのが習わしのようでした。
今回ももちろん写真を撮りました。
その時に、あるメンバーの一人がこんな話をしていました。
「前に、集合写真を撮った時に知らない女の人が写っていて不気味だった。今回は写ってないか確認しないと」
ということで、写真を確認していましたが、今回の写真には知らない人は写っていないかったようです。
ここで気になったのは、その以前写っていたという知らない女性のことです。
その人からはスマホに保存してある、その例の集合写真を見せてもらうことができたのですが、確かにその人が指を差すところに、登山用の格好をした女性がチームメンバーと並んで写っています。
2列に並んだ後ろの列の端です。
ネイビーの帽子を深めにかぶっているので目元はよくわからないのですが、口元の感じから判断するに、みんなと一緒に下山してきて良かったというような達成感と安心感に満ちた笑顔で周りの人と一緒に写っています。
ただし、この女性には不可解な点がありまして、
・もちろんチームメンバーにはそんな人がいない
・そもそもこの山に女性は入山できないのに登山用の格好をしている
・写真を撮る際に、隣にいた人や前にいた人はこの場所には人がいなかったと言っている
こんな感じです。
チームでない人が他人の集合写真に勝手に入るのもおかしいのですが、そもそも女性はこの山に入山禁止なので、山に一緒に登ったらどこかで注意を受けるはずです。
男湯に女性が入ってきたら注意されるのと同じようなものです(この例えがあっているかわからないけど)。
なので、登山の格好をしている女性がこの場にいるということ自体が、違和感でしかないのです。
そして、この女性の隣にいた人や、前にいた人も肌が触れるほどの近距離のはずですが、この場所は誰もいなかったはずで女性の姿を見ていないと言っていたそうです。
こうなれば、やっぱり普通の人ではないのだと考えるのが妥当でしょうね。
その話を聞きながら、写真を見せてもらった時に、これは「天狗のいたずら」と呼ばれる現象だろうなと思いました。
山に入って、ありえない状況でありえない人が現れた時は、まずは天狗の仕業を考えるのが妥当のようです。
例の写真でも、女性が一緒に写っているということで、ありえない状況でのありえない人物の登場ですので、これだと考えられます。
天狗にからかわれているのだということです。
しかし、あんなにはっきりとスマホのカメラに写るものなんですね。本当にその場に人間がいるという写真でした。
私としては、恐怖というよりもむしろ感動しました。
とまあこんな感じで不思議なことを見聞きしてきました。
修行の成果として感じているもの
修行から帰ってきてそれほど間がないのですが、現在のところ修行の成果として感じていることを記しておきます。
・活力が湧いて元気になった
・日常での恐怖心がなくなった
・山に登りたくなっている
このあたりです。
まず、活力が湧いて元気になったというのは一番に感じていることで、山から帰ってきてから、仕事をバリバリとこなしたいという意欲が湧いてきました。
なんとなく、温泉やその土地の水を飲んだことが良かったのではないかと考えています。
また、そのおかげか寝付きが良くなり体調もよくなった感じがしています。
そして、恐怖心が薄れたというのは、まさにこの修行で得たものだと感じています。
岩場を攀じ登ったり(よじのぼったり)、崖下を覗いたりするというある意味命がけの修行を行ったことで、大概のことはそれに比べると大したことがないなと考えられるようになりました。
「男は度胸、女は愛嬌、坊主はお経」なんて言葉がありますが、この修行によって度胸はつくし、私みたいなビビリな性分の男性にとってはおすすめですよ(修行中にお経を読むから、「坊主はお経」の部分も体験できますし)。
女性であれば、この修行はできないので、バンジージャンプやスカイダイビングなんかを体験することで、同じような効果は得られるのではないかと思います。
今回は、大雨の中という大変な状況での登山修行だったのですが、下山してからまた山に登りたいという気持ちも湧いてきています。
この気持ちがあるうちに休日どこかに出かけてみようかと考えています。
今回、私が体験したいというだけの理由で、興味本位から参加したのですが、思わぬ副産物が得られた修行体験でした。
龍泉寺の写真
山での写真は撮れなかったのですが、翌日は晴れていたので自由時間に龍泉寺あたりを散策して写真を撮ってきました。
雰囲気がなんとなく伝わればいいなと思います。
大きな錫杖と鉄下駄がありました。
この鉄下駄は持ってみましたが、ものすごく重かったです。
お寺の裏側を上がってみました
するとこのような吊り橋があります。
真ん中に行くと結構揺れて怖いです。
吊り橋から撮った写真です。
結構な高さであることがわかります。
まとめ
前編、後編と分けた修行体験記でした。
いかがだったでしょうか?
今回私は参加してみて、男性であれば一度は体験しておいた方がいいと個人的には強くおすすめできます。
機会があれば、皆様にもぜひ挑戦していただきたいと思います。