今週のお題は「買ってよかった2021」ということで、2021年に買ってよかったものを紹介しようと思っていたのですが、つい先日その記事を書いたところなんですね。
なので、今回の記事では、少し方向性を変えて、2021年に読んで良かった漫画について紹介しようと思います。
・王様ランキング
・SPY×FAMILY
1.おおきく振りかぶって
一つ目の作品は「おおきく振りかぶって」です。
高校野球をテーマにした作品で、2003年から月刊アフタヌーンで連載されています。
主人公は、高校一年生の三橋廉。ポジションはピッチャーなのですが、弱気な性格で他の人と会話をするのも難しいくらいにおどおどしています。
そうなったのには中学の時の野球部での経験が関係しているのですが、そんな彼が新生の野球部に入り、そこで女性監督の指導の下、他のチームメートと一緒に成長しながら甲子園制覇を目指すというストーリーです。
こちらの漫画の特徴として、登場人物の一人一人にスポットライトを当てていて、人物の心情描写が非常に細かく描かれています。
作者は女性だという事なのですが、男子高校生の心理描写がとてもリアルで面白いです。さらには、主人公の高校の人物だけでなく、親たちや他校の選手なんかについても、細かい設定があってそのへんもリアルに表現されています。
野球の試合中も、一球一球投げるまでの配球の読み合いなども描かれるので、一試合終わるのに結構な話数がかかります。
そのため連載開始から20年近くが経とうとしていますが、原作ではようやく主人公たちが2年生になろうとしているところです。
高校3年生の夏の甲子園まで描かれるとしたら、あとどれくらいの期間が必要なのでしょうか?
栄養の話などのフィジカルの面だけでなく、メンタル面の鍛え方からもアプローチしていて、またチームワークや組織のあり方なんかの点から見ても大変参考になりそうなマンガです。
2.王様ランキング
2つ目の作品は、王様ランキングです。
こちらの作品は、2017年から漫画投稿サービスの「マンガハック」で更新されています。
主人公は、ボッス王国の第一王子「ボッジ王子」です。
父である巨人族のボッス王は、豪傑で知られていますが、なぜかボッス王子は剣1本もまともに持ち上げられないほど非力です。
さらには、耳が聞こえず言葉も話せないことから、王に仕える周囲の人間や民衆からもバカにされる毎日を過ごしていました。
そんなある日に、悲しい過去を持つ暗殺一族の「カゲ」と出会い、ひょんなことから友情が芽生えます。そして、カゲはボッジ王子の一番の理解者になります。
その後、追放される形でボッジ王子は旅に出ることになりますが、そこで師匠というべき人に出会い、自分に合った戦い方を身につけます。
磨いた技術を武器に、今度は魔の手が迫るボッス王国を守るためにボッジ王子が立ち上がるのでした。
こちらの作品の面白いのは、いい人と思っていたのが悪いことを企んでいたり、逆に悪い人だと思っていたのが実はいい人だったりと、予想を裏切られる事が非常に多く、展開が読めない点です。
また、主人公は言葉が話せないのですが、行動や仕草からその心情が読み取れるくらいに表現が細やかです。マンガですが絵本のような感じすらあります。
優しい世界観から、きっと作者は女性なのだろうなと思っていたのですが、どうやら男性らしいと知ったときは驚きました。
作者は脱サラして漫画家になった方のようで、その時期は苦労されたようです。
作品に興味を持ってから、こちらの本も読みました。
この本で描かれる苦労の日々を読んでいると、王様ランキングで描かれる優しい世界観に納得しました。
「王様ランキング」は、現在も連載中ですので、今後も要チェックのマンガです。
3.ザ・ファブル
3つ目はザ・ファブルです。
2014年から週刊ヤングマガジンに連載されていました。現在は、これの2部作目となる「ザ・ファブル The second contact」が連載されています。
さて、この漫画の主人公はプロの殺し屋です。しかも、ファブルという伝説的な殺し屋組織に所属していたという経歴を持ちます。
殺しを辞めて普通の生活を送るようにという指示をボスから受けて、佐藤明という偽名を与えられ大阪に引っ越してくるところから物語は始まります。
殺し屋としての腕は一級品ですが、普通の生活となるとどことなくズレたところがある佐藤明。周囲の人との掛け合いも、ちぐはぐで面白いです。
そんなある日、仕事先の同僚がトラブルに巻き込まれ、連れ去られてしまいます。
その人を助けるために、明は単独敵のアジトに乗り込んでいきます・・・。
実は、私はこのマンガが面白いということで紹介されているのをだいぶ前から知っていたのですが、テーマが殺し屋なので、グロテスクなのは好きではないからという理由で敬遠していました。
それでもある時に、試しに読んでみたら、すっかりハマってしまいました。
とにかく佐藤明の人物的な魅力がすごいです。昼間の仕事では冴えない男を演じていますが、敵を制圧するときは瞬時に動いて圧倒してしまいます。
それが、周りの人からは普通の人であると思われようと、実生活での「普通」を模索しながらプロとして演じています。その辺りも、コミカルに描かれていてポップな感じで読めます。
映画化もされているので、まだ見ていない人はそちらもおすすめです。
4.SPY×FAMILY
4つ目はSPY×FAMILYです。
こちらは、少年ジャンプ+に2019年から連載されています。
「黄昏」のコードネームを持つスパイが主人公。
ある任務で、子供を学校に入学させる事が必要となります。そこで急遽、アーニャという女の子を養女として迎えることになります。
主人公は、養子にするのは誰でも良かったようなのですが、養女として迎えたアーニャは実はエスパーで他人の思考を読み取る事ができるのでした(主人公に対して自身がエスパーであることは秘密にしています)。
主人公のことをスパイと知った上で、アーニャは学校生活を色々と頑張ります。
さらに物語が進むと、任務上、妻役が必要となります。そのため、主人公は適任者を探すことになります。
そんな時にたまたま出会ったヨルという女性とお互いの思惑が一致して、スパイである身分を隠しながら偽装結婚をすることになります。
ところが、実はヨルは凄腕の殺し屋でした。それを主人公に対して内緒にしています。
当然、エスパーであるアーニャはそれをわかっていますが、家族がバラバラになるのが嫌だったので、うまく演じています。
こうして、父:スパイ、母:殺し屋、娘:エスパー という家族が出来上がりました。
その後、特殊能力を持った犬もペットとして加わります。
お互いがお互いに秘密を隠したままで、それぞれの目的を達成しようと奮闘します。
2022年の4月にはアニメ化も決まっており、今後も目が離せない作品です。